おばちゃん生徒との対話(1)

2013.09.05 04:00|みずかレッスン
以前もここでちょっと書いたことがあるかもしれません、私の大人の生徒さんのお話です。

クロアチア出身の彼女は、私の両親と同い年。
今までに何度も何度も先生を変えて、始めては止め、始めては止めを20年ほどくり返してきました。

なぜかというと、彼女はちょっとでも気に入らないことがあると先生と喧嘩をしてしまうか、
逆に何も言えずにストレスだけがたまり、レッスンにならないから。

そんな彼女が、私とならレッスンが継続している事実(笑)。

「だって私はみずかが大好きなんだもの」と言ってくれるそのおばちゃん生徒は、私とのレッスンで初めて、


罪悪感


を感じずに済んでいる、といいます。
なんでしょう?ピアノのレッスンで罪悪感とは・・・。


今日のレッスンでは、弾いてもらうことよりも話してもらうことのほうに長く時間を使いました。
もちろん、以前にも同じような内容の話をしてもらったことはありますが、再度聞いて、ある発見をしました。


レッスンで怒鳴られながらピアノを学んだ生徒は

・ 満足度が低い

・ なかなか達成感が得られない

・ 人のものさしで自分を評価してしまう、もしくは、何も言われないと不安になる

・ 人からのネガティブな評価で精神的にどん底まで落ちやすい

・ 喜びや楽しさを見失いやすい



いかがですか?思い当たるフシのある方、多いのではありませんか?
私自身はこれに思いっきり当てはまります(爆)。なぜなら、私も怒鳴られながら習っていた過去があるから。

私はこれを自分自身で打開してきました。でも打開できたのは、不思議なもので、誰にも師事しなくなってからです。
・・・って私自身の話をし始めると話が広がりすぎてしまうので、焦点を生徒との対話に絞ります(汗)。


このおばちゃん生徒は言います。

「私はね、みずか、楽しい曲を自分なりに楽しく弾きたいのよ。だけど、習い始めてからずっと、こうじゃない、
 ああじゃない、何でもっと練習しないの、練習してこないでよくレッスンに来れたわね、とかそんな風にばかり
 言われてきたから、何が楽しいのか、なんでピアノを習いたいと思い続けてるのか分からなくなったわよ。

 そのたびに、先生と喧嘩して止めるか、ストレスでおかしくなって止めるか、そのくり返しばっかりでねえ。」



確かに、このおばちゃんは私のところに来た初日に、「あなたと合わないと思ったらすぐやめていい?」
と唐突に聞いてきたくらいですから(笑)、そうとう嫌な経験をしてきたんだなあというのは容易に想像できました。
それだけ彼女の中で深く傷ついているという証拠でもありますよね。

さらに彼女は続けます。


「だけどみずかは全く違うじゃない?練習あんまりできなかったとか、ヴァカンシーに行ってたからとか言っても
 ちーっとも怒らないで『じゃあ今日はここで一緒に練習しよう』って言ってくれるし、褒めてくれるし、一緒に笑ったり、
 冗談言ってくれたり、穏やかにレッスンしてくれる。

 だからこそ、みずかから突然真剣なまなざしでストレートに意見やアドバイスをズバッ!と言われても、
 過去のレッスンの時みたいな拒絶反応が全然出なくて、私はあなたの言うことをまっすぐ受け止められる。
 だってみずかは怒鳴るんじゃなくて、生徒の私に必要だと思ったことを全力で説明してくれてるだけだもの。

 あなたと以前の先生たちは比較にならないわ。レッスンって楽しいんだ!って思えたのはあなたとが初めてよ!
 私にとっちゃあこんなの奇跡みたいなもんよ~(笑)。なにせ、気分悪いと思ったらすぐ止めてたんだからね。
 みずかについてからようやく、ほんとにちゃんと習おうって思えるようになったんだもの。」




・・・先生冥利に尽きます(TT)。ありがたいなあと思いました。

何かを教える、という行為は、教える側が同時に学んでいる、とも言えます。
私はこのおばちゃん生徒からそうフィードバックしてもらえたことで、自分の教え方を客観的に確認できました。
とりあえず、「よかった、喜んでもらえて」と思いました(笑)。

だって、それが一番大切でしょう?

学びの中に楽しさがなかったら何も学べないじゃないですか。


彼女は今、簡単にアレンジされたヴァージョンの「サマータイム」をつっかえながらも最後まで弾けるようになりました。
他にも8小節ほどの短い曲をいくつか暗譜で弾けるようにもなりました。

数ヶ月前は、暗譜なんか無理!ってピアノの前で足おっぴろげてだだこねてた人が、です(爆)。
たかが8小節と思わないで下さいね。これは彼女にとっては大きな進歩なんです。
私は彼女がそれを暗譜で弾けた時に、たくさん褒めて褒めて褒めまくってあげました。


これでいいんだよ

あなたはひけるのよ

だいじょうぶだよ


それを、彼女自身で感じてほしかったからです。
あなたは1つ大きなステップを踏んだのよ。進歩したのよ。自信をもっていいのよ。
そう伝えるために、私はひたすら褒める。これは、言葉でしっかり伝えます。実感して安心してもらいたいから。

両親と同い年のおばちゃんが、少女のように純粋に喜ぶ姿を見るのはとても感慨深いものがあります(笑)。


おばちゃんはおばちゃんなりのペースで進歩している。
その進歩がたとえ1ミリだろうと、先生である私は見逃しません。
だから彼女自身が満足いってなくても、その1ミリの進化を私は褒める。

だいじょうぶだよ

いい線いってるよ

このまま進もう


ピアノの生徒も、悩みを抱える人も、先生や信頼する友人から聞きたい言葉は
まずこれなんじゃないかな?とすら思います。


だいじょうぶだよ

安心していいよ

わたしがそばで支えてるよ


もしそうだとしたらなおさら、言ってあげたいのです。私の大切な生徒にはたくさん・・・。




テーマ:楽しく生きる
ジャンル:ライフ

タグ:ピアノ レッスン 遠藤瑞香 生徒 先生 対話 進歩

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☆Mizuka☆

Author:☆Mizuka☆


ピアニスト・ピアノ講師
おんがくのせんせい

「にんげん」が大好きです。



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義理人情に厚い群馬県
桐生市生まれ、みどり市育ち。
大間々中学校→
桐生女子高校英語科→
新潟大学教育学部→
新潟大学大学院→
デンハーグ王立音楽院→

毎日が、今の自分をさらに
自分らしくしていくための
修行になってます。

今までいろーんなことを
書いてきましたけども、
これからもますます
私らしく生きながら、
日々思うこと考えることを
綴っていこうと思います。

ピアノの教育についても
独自のセンスでスパッと
斬っちゃいますよ(笑)。

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4月16日(日)
松濤サロンコンサート

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